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突撃インタビュー     

I LOVE LAS VEGAS 第24回 

 

 

 

   「自然の流れに溺れない程度に身を任せる」

 

 

              指揮者

              鈴木孝佳さん  福岡県出身

 

 

 

 

 

 

今回は、今年5月までUNLVで教鞭を取っていらっしゃった指揮者・鈴木孝佳さんにお話を伺いました。

 

 

ラスベガスにはいつ頃からいらっしゃるのですか? 

19958月UNLV Music Department の教授として赴任して来ました。

もっとも、それ以前からゲストコンダクティングやクリニックでラスベガスには来ていましたけれどね。

 

 

指揮者といえば、かつて「のだめカンタービレ」というコミックやドラマでちょっと注目を浴びましたよね。

鈴木先生は最初から指揮者を目指していらっしゃったんですか?

学生時代から、日本フィル交響楽団や東京佼成吹奏楽団でトロンボーンを吹いていました。同時に少しずつ指揮の勉強もしていたんですが、楽団を退団してからから本格的に指揮の勉強を始めたんです。

 

それはどうしてですか?

トロンボーンと指揮、両方の勉強をしている時にあるアクシデントにあって、前歯が欠けてしまったんです。当時欠けた歯を治療して歯は元通りにはなったんですが、口の微妙なフィーリングが違ってきてしまって、元の様に吹けなくなってしまったんです。それでトロンボーンを諦めて福岡で私立高校の音楽の教員を始めました。そこで、自分の勉強を兼ねてバンドを教え始めたんです。

 

 

ブラスバンドですか?

そうです。最初は4人の生徒で始めたんですけれど、徐々に部員を増やして行き、3年で37人までバンドの人数を増やして3年で全国大会まで出場するまでになりました。その後は、全国大会の常連になりました。この高校が高い評価を得たことでイギリスで女王陛下直轄のロイヤルミリタリースクールオブミュージックから招聘されて演奏旅行に行ったりもしたんですよ。 又、世界中から1万人ほど集まるシカゴで行われたミッドウエストインターナショナルバンド&オーケストラクリニックという祭典みたいなものに、日本のバンドとして初めて参加したりもしたんですよ。

 

 

 

 

ほぉ~~~、それはすごいですね。

そこの学校は当時かなり荒れていて、いわゆる不良と呼ばれていたような生徒が多くて、学校に来ていても授業に出ず裏山でたむろしたり、喧嘩ばかりしているような生徒が多かったんです。そういう生徒たちのエネルギーをバンドに向けさせよう少しずつ説得してバンドに入れて、練習させたんです。

 

なんとまぁ、まるで、テレビの学園ドラマみたいなお話ですね。

はい、本当にそうなんです。 年々、生徒たちも一生懸命に取り組むようになり、

他県からもバンドをやりたくて入学してくる生徒が増えるようになりました。地元の人達には評判が悪い学校だったのであまり地元の生徒はいなかったんですが、他県からの生徒で成り立つ学校でしたね。なので、寮をつくったりして生徒たちと合宿生活をしていました。

 

 

とても楽しそうですが、「のだめ」とかだと指揮者コンクールに出場・・・なんて話がありましたが、先生もコンクールの出場なさったりしたんですか?

あれはクラシック音楽の指揮者の話でしたよね。 指揮者コンクールに出て自分を磨くチャンスもあったのですが、元々器用でないので、自分の技術を極めるのと、生徒を育てるのとの両立は難しいなと思っていました。 でも、何かを伝えるために自分がきちっと学んでなければいけないと思っていたので、指導者になるための勉強はしていました。

結局、自分は指導者として後進を育てるという道を選びました。 

 

 

その後、どういうきっかけで渡米されることになったのですか?

15年間、高校で教え、その後、東京の文京区の東京コンサルバトワール尚美という音楽の専門学校で指揮やバンドの指導をしていました、この間、バンドの指揮者としてアメリカに来ていたりしていまして、そして、アメリカで教えてはどうかと、声をかけていただいていました。しかし、アメリカで教えるとなると英語で教えなくてはいけないので躊躇していたんです。 でも、やはりチャレンジしてみたくなって当時声を掛けてくれていたUNLVに1995年の夏に来たんです。 やはりつたない英語で生徒に講義をしなくてはならなかったので大変でした。でも生徒たちが教えてくれたり助けられました。

そのUNLVで16年教えて今年の夏前に退官しました。

 

それはまた何故ですか?

数年前から自分の時間が欲しい、自分の好きなように好きなバンドを指揮したりしたいという思いがあり、辞め時を見計らっていたんです。 丁度、今年になって今まで教えていた生徒が卒業したり、卒業する目処が立ったの退任しました。

 

先生の生徒さんには日本からの留学生もいたんですか?

はい、私の元で勉強したいという生徒が留学して来たりもしていました。もちろんアメリカ人や他の国の生徒も教えていましたけどね。 

 

日本人の留学生とアメリカの生徒と違いはありましたか?

もちろんありました。 日本からの留学生ははるばる来ているからやる気がありましたね。なんとか実力をつけようと一生懸命でした。 こんなことを言うと語弊がありますが、現地の生徒はまあそこそこ単位や学位が取れればいいや・・・的な気構えの生徒が多かったです。 

 

 

これからはどのような活動をしていらっしゃるんですか?

12月いっぱいまでは自分の勉強をしたりのんびりゆっくりしたいです。

1月末にクラークカウンティーの高校生の選抜バンド演奏会がUNLVのハムホールであるのですがその指揮をします。 その他は各地から声を掛けて頂いているので、出向いて行こうと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

ところで、鈴木先生はラスベガスお好きですか?

正直言って、まあまあですね。 確かに、住みやすい町だとは思います。人間関係は日本に比べて楽ですし。 それに、乾燥した気候が良いですね。それと、24時間開いている店が多いというのも便利ですね。

 

では、嫌いなところはありますか?

あくまでも個人的な感想ですが・・・ アメリカの他所の地に比べて文化レベルが低いような印象を受けます。新しい町だし、人の出入りが頻繁なので文化が根付いていないのではないかと思います。例えばコンサート時のマナーがなってないとか、有名な楽団が来ても人がなかなか集まらなかったりするんです。教育レベルが低いとさえ感じることがあります。生徒たちも学位を取ることを最優先し、本来の音楽やその本質を学ぼうとしないと感じています。 アメリカは学位、ヨーロッパや日本は実力重視する傾向にあると思います。

 

 

なるほど・・・ そうなんですね。

 

では、ラスベガスでお好きな場所は?

自然が好きなので、レッドロックキャニオンやバレーオブファイヤーが好きです。 あと釣りが好きなのでウィロービーチにも行きます。 そこらの場所で、物思いにふけるのが好きです。

 

アメリカで苦労なさったことはありますか?

生活習慣の違いでは最初はかなり戸惑いました。 言葉が通じないのも最初は困りましたが生徒をはじめ周りの人が助けてくれました。 それとこちらはタックスリターンなど、自分でファイルしなければならないですよね。日本では学校の事務方が全部手配したり処理してくれていましたが、それを知らずに困ったこともありました。 あと、人種的な差別をされたことも多々ありますが、それにはより良い演奏をして見返してやったこともありますよ。(笑

 

 

先生のモットーは何ですか?

自然の流れにおぼれないように身を任せるってことですかね。

それと、100%全てが完璧にできる人なんていないわけで、それなりに色々と妥協をしていますよね。 私は自分にできることを一生懸命やるということを心がけています。

 

 

最後に先生の夢を教えてください。

私は常々、自分が得てきた経験を若い人に伝えて行きたいと思っているのですが、

死ぬ時に素晴らしい教育ができたなと思えるようになりたいですね。 今のところ、

長年教えてきましたけれど、まだ満足いく教育ができていないです。 まだまだこれからです!

 

 

 

 

 

 

 

 

第一印象はとても温和な先生。。。。なのですが、お話を伺っているうちに実はものすごくエネルギッシュな熱血先生なのだなと印象が変わりました。 若者に音楽の楽しさを伝えたい!音楽を理解して自分のものにしてもらいたいという熱い想いがひしひしと伝わってきました。 今後は様々なしがらみや人間関係から開放されて、世界各地を飛び回って自由に後進の指導にエネルギーを注いでいらっしゃるそうです。 益々のご活躍を楽しみにしています!

 

 

 

 

   

January 28, 2012

Honor Band Concert @ Ham Concert Hall

http://pac.unlv.edu/